幹線輸送とは?メリットや効率化への取り組みについて解説

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物流業界で問題視されているドライバー不足・運送コスト高騰の対策に貢献するとして、幹線輸送が注目を浴びています。幹線輸送とは、拠点となる箇所に一度荷物を集めてから、大型トラックなどを用いて配送する方法です。長距離区間での輸送や大ロットでの輸送に主に活用されており、少量の荷物を何度も往復しながら運ぶ場合と比較して、さまざまなメリットが期待できます。

本記事では、幹線輸送のメリットや効率化に向けた取り組みについて解説します。

■この記事でわかること

  • 幹線輸送の意味
  • 幹線輸送のメリット
  • 幹線輸送の効率化が求められる理由

幹線輸送とは

幹線輸送とは、大量の荷物を一箇所に集め、その荷物をまとめて大型トラックなどの輸送手段を用い、別の拠点まで運ぶ方法です。幹線輸送が活用される場面として、インターネット通販サイトで注文した商品が手元に届くまでの流れを例に見てみましょう。

 

  1. 【商品を受け取る人】商品を注文する
  2. 【送り主】注文を受けた荷物を発送する
  3. 発送された荷物が、その地域にある営業所に集められる
  4. 営業所に集められた荷物はエリアごとに仕分け、物流拠点でまとめられる
  5. 物流拠点に集められた荷物がエリアごとに仕分けられ、荷物を受け取る人の所在地を統括する営業所に運ばれる
  6. 【商品を受け取る人】営業所から荷物が届く

上記のなかで幹線輸送に当てはまるのは、営業所に集まった荷物を仕分けて拠点に移し、さらに営業所へと運ぶ4と5の工程です。

 

Hiroki
Hiroki

例えば大手の宅配便業者は、都道府県ごと等の単位で主要拠点を設けています。主要拠点の間を定期運行の大型トラックで幹線輸送しています。

幹線輸送のメリット

幹線輸送の主なメリットとして、以下の3つがあります。

  • 短い時間で大量の荷物を運ぶことができる
  • 少ない人員で対応できる
  • 輸送コストを抑えられる

 

幹線輸送は、少量の荷物を何度も往復して運ぶケースと比べて、短い時間で大量の荷物を輸送できます。何度も往復して荷物を運ぶ場合、ドライバーの人員確保が必要となりますが、幹線輸送であれば少ない人員でも荷物を運ぶことが可能です。近年はドライバー不足が問題視されていることから、人員を抑えながら大量の荷物を運べる幹線輸送には大きな利点があるといえるでしょう。

また、人員やトラックの使用台数を減らすことで、輸送にかかるコスト削減にもつながります。稼働するトラックの台数が減れば、CO2削減にも役立つでしょう。

 

Hiroki
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宅配便を利用すれば数百円~千数百円程度の料金で全国へ荷物を送ることができるのは、幹線輸送によって荷物1個当たりの輸送コストを抑えているためです。

幹線輸送は効率化が求められている

上述のとおり、物流業界ではドライバー不足が問題視されています。幹線輸送は多くの荷物をまとめて輸送することから、ドライバー不足に対応できる一方で、一人のドライバーあたりの拘束時間が長くなるのがデメリットです。長距離の輸送が求められるようになった結果、残業時間が増えてしまったり、過度な負担で疲労が溜まったりする恐れもあります。

 

Hiroki
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例えば大阪から福岡間は約600kmあり、休憩時間を考慮すると9時間以上要します。

 

2024年から、ドライバーの時間外労働は年960時間までに制限されることが決定しました。労働者の健康を守るためにも、輸送業務の効率化を図り、ドライバーの負担軽減に取り組む必要があると考えられています。

 

国土交通省が発表している「トラックの効率化方策」を参考に、ドライバーの負担軽減に向けて取り組むよう意識していくことが大切です。

 

トラックの効率化方策 具体的な方法
作業時間の短縮化 中継輸送・スワップボディ
車両の大型化 トレーラー・ダブル連結
積載率の向上 共同配送・積み合わせ運送
実車率の向上 帰り荷の確保

物流の2024年問題については、以下のページでも詳しく解説しています。

Hiroki
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実際に複数の大手運送会社では、幹線輸送に中継輸送やダブル連結トラックの導入を始めています。また、複数の運送会社が協力して幹線輸送を行う「共同幹線輸送」によって、さらなる効率化を実現する取り組みもあります。

まとめ

幹線輸送では、一つの拠点に物流業務を集約することで物流コストの削減、効率化が実現可能になります。一方で、長距離輸送が主となることでドライバーの負担が増えることが懸念されるなど、2024問題における残業時間の制限を考えると、課題がないわけではありません。ドライバーの負担を減らすためには、車両の大型化や積載率向上など、トラックの効率化にも目を向ける必要があるでしょう。

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