荷主とは?物流におけるに荷主の定義をわかりやすく図解で解説

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省エネ法や2024年問題など、荷主の責任が問われる法改正などにより物流業界に大きな変化が起きています。しかし、自社が荷主の定義に該当するかがわからず、対応にお困りの企業様もいるのではないでしょうか。

この記事では、荷主の定義と範囲、1号荷主に該当しない例、荷主の責任について解説します。

 

■この記事でわかること

  • 荷主の定義
  • 1号荷主に該当しない例
  • 物流業界における荷主の責任

 

荷主とは

荷主とは、輸送の方法などを決める事業者のことです。荷主には大きく分けて「荷主」と「準荷主」に分けられます。この違いは輸送の方法を誰が決定しているかどうかです。詳しい定義は下記にて解説します。

荷主の定義

荷主と準荷主の定義について解説します。

荷主の定義

荷主の定義

荷主は、資源エネルギー庁によって「自らの事業において継続的に貨物輸送事業者に貨物を輸送させる者」として定義されています。また、荷送側と荷受側で荷主が異なるケースがあり、その場合は荷送側を「発荷主」、荷受側を「着荷主」と呼びます。

 

準荷主の定義

準荷主の定義

準荷主は、「自らの事業において継続的に貨物輸送事業者に貨物を受け取りまたは引き渡す者であり、受け取りまたは引き渡しの日時やその他の事項について指示できる者」として定義されています

たとえば、荷主と輸送業者間で引き渡しの日時や場所に一定の幅が許容されているとします。その場合、具体的な時間や場所を指定できる事業者が「準荷主」となります。

参考:資源エネルギー庁

省エネ法の改正で荷主の定義が見直された理由

荷主は、これまで貨物の所有者を指していました。しかし、省エネ法の改正により、貨物の所有権に関係なく、輸送方法を決定する事業者が荷主として定義されるように変わっています

ネット通販市場の拡大に伴う小口配送や再配達の増加により、ネット小売事業者も省エネ法の対象になりました。エネルギー資源の消費量増加が起きていることが理由です。

また法改正に伴い、国からネット小売事業者に対しても省エネ法の協力要請が可能になりました。これにより、ネット小売事業者も荷主として包装材の軽量化や小型化などの促進が求められています。

ただし、貨物輸送事業者と取引や契約をしておらず、輸送の方法等を決めていない事業者やCtoCの仲介事業者は、荷主の対象外です。

蜂巣 稔
蜂巣 稔

省エネ法とは、経済産業省 資源エネルギー庁が所管するエネルギーに関する制限やルールについて定めた法律です。一定規模以上の輸送者及び荷主は、省エネ計画を作成し、エネルギー使用量の届出が求められます。

一号荷主に該当しない例

呼称 条文
一号荷主 自らの事業に関して貨物を継続して貨物輸送事業者に輸送させる者
二号荷主 自らの事業に関して他の事業者が継続して貨物輸送事業者に行わせる貨物の輸送について、契約その他取り決めにより輸送方法を実質的に決定している者

参照元:改正法第百五条第一号で定められた荷主について

 

一号荷主とは、貨物輸送事業者へ輸送を依頼している者を指します。そのため、荷受側が貨物輸送事業者に依頼している場合は、荷送側ではなく荷受側が一号荷主です。

下記の表は、一号荷主に該当しない例となります。

一号荷主に該当しない例

卸事業者が貨物の輸送契約をしていても、取り仕切り事業者が決めた輸送方法で輸送されていた場合は、契約していた卸事業者ではなく、取り仕切り事業者が荷主となります。

物流業界における荷主の責任

物流業界に大きな影響を与える2024年問題は、荷主にとっても他人事ではないでしょう。この問題は、トラックドライバーの長時間運転など、時間外労働に関するものですが、荷主の関与が明らかな場合は、荷主勧告制度に沿って社名の公表が行われる恐れがあります

そのため、荷主であってもドライバーの労働時間のルールを把握しておきましょう。時間外労働を減らすための荷主側の配慮は、ドライバーの健康と安全を守るためにも必要です。

また、物流業界には、古い料金のまま契約を押し付けたり、待機料金を支払わなかったりする問題も存在します。これらの行為はパワハラとみなされ、法的な問題につながる可能性があります

特に労働ルールは2024年以降に大きく変わるため、荷主も変更点を把握したうえで依頼する必要が出てくるでしょう。

蜂巣 稔
蜂巣 稔

荷主勧告制度によって荷主名の公表がされた場合、貨物運送事業者から貨物輸送の受託を避けられてしまう可能性が発生します。従前とは環境が変化し、貨物運送事業者が荷主を選別する流れも生まれています。

まとめ

省エネ法の改正によってネット小売事業者も荷主に含まれるようになりました。荷主は省エネ対策や2024年問題への取り組みが求められており、ドライバーの残業時間削減に配慮して、輸送を依頼する必要があります。

例えば、物流工程をアウトソーシングするとき、物流会社がドライバーの残業時間削減に取り組んでいるかは重要な選定基準と考えられます。

浜松委托運送は、物流システムの導入推進により、物流業界の時間外労働時間削減にも貢献しながら輸送ができる物流会社です。法令順守に不安を抱える荷主の方は、ぜひ一度ご相談ください。

蜂巣 稔
蜂巣 稔

ドライバーの待機・拘束時間の削減や残業時間削減のためには、物流センターや倉庫における物流システムの活用や生産性向上のノウハウがある物流会社がポイントになります。

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