入庫とは?入庫業務における課題や効率化するための方法をご紹介

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入庫は、商品到着から在庫として計上するまでのプロセスを指し、物流において重要な業務です。入庫をおろそかにすれば、大きなミスにつながる可能性があります。

本記事では、入庫業務における課題や、効率化の方法を紹介します。入庫について正しく理解したい方や物流業務の効率化を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

■この記事でわかること

  • 入庫の意味
  • 入庫業務の重要性
  • 入庫業務における課題と効率化の方法

入庫とは

 

入庫の意味・定義

入荷と入庫の違い

入庫とは、倉庫に届いた商品の受け取りから、倉庫への格納、在庫管理表など在庫管理システムへの登録を経て、在庫として計上するまでの流れをいいます。在庫管理システムへの記録が終わって初めて入庫が完了となります。

似たような言葉に「入荷」がありますが、入荷は倉庫に届いた荷物を受け取ることのみを指しており、保管や在庫計上の工程は含まれません。このように入庫と入荷とでは意味が異なりますが、入荷を経て入庫するため、2つは関連したものとして考える必要があります。

また、入庫と入荷の定義は物流業者によって異なることもあり、厳密な区分は難しいといえるでしょう。

 

入庫業務が重要な理由

物流業務において入庫業務は非常に重要です。不適切な入庫業務は大きなミスにつながるおそれがあるからです。

例えば、入庫時に保管場所を間違えると誤出荷が起きたり、発送が遅れたりと、出庫作業時のトラブルにつながります

また、適切な場所に格納・保管さえすればOK、という単純な話ではありません。その後の在庫計上でミスがあれば、在庫管理に大きく影響します。

入庫業務を正確に行えば、物流業務全体の品質管理の向上にもつながり、最終的には顧客満足度の向上に貢献します。このように、入庫業務は物流業務の中で重要な役割を果たしています。

入庫業務における課題

入庫業務において一番起きやすいミスが在庫差異です。在庫差異をどのように防ぐかが、入庫業務の最大のポイントといえるでしょう。

在庫差異とは、データ上の在庫の数と実際に保管されている在庫の数量が合わないことです。在庫差異が発生する原因として、格納場所の間違いや商品数の数え間違い、データ入力のミスなどが挙げられます

いずれもヒューマンエラーによるものが多く、入庫作業に不慣れなスタッフが多くなるほど、在庫差異が起こる可能性も高まるでしょう。

管理システムを導入すれば改善が期待できますが、システムの利用時にミスがないよう注意する必要があり、在庫差異をゼロにするのは難しいといえます。

入庫作業を効率化するための方法

在庫差異を防いで入庫作業を効率化するには、以下の対策をとることが重要です。

  • 倉庫内の整理整頓
  • ロケーション管理の活用
  • 業務マニュアルの作成・共有
  • 倉庫管理システムの導入

 

これらの取り組みについて詳しく解説します。

倉庫内の整理整頓

商品の入庫をミスなく行うには、まずは作業環境の整理整頓が大切です。

例えば、商品別に保管場所を分けたり、同じ商品でもサイズやカラーが違うものは別ものとして扱ったりするで商品の混在を防げられます。その結果、入庫はもちろん出庫のスピードも上がるでしょう。

また、どこに何の商品があるかすぐにわかるよう、ラベルや看板等を使って表示すれば、作業効率および正確性がアップします。加えて、経験が浅いスタッフも即戦力となりえます。

整理整頓にプラスして、倉庫内全体において5Sをスタッフに共有して徹底できると、なお効果的です

ロケーション管理の活用

入庫業務の動線を工夫することも、ミスの低減に役立ちます。

例えば、入出庫の頻度が高いものは取り出しやすい場所に、そうではないものは少し奥のほうに配置すれば動線が短くなり、作業時間を短縮できます

販売データからabc分析を行い、入荷・出荷頻度に合わせて商品のロケーションを設定できれば、なお効率のよい動線を作れるでしょう。

また、期間限定商品やイレギュラーな商品といった、保管場所の常設が難しい商品の在庫管理には、保管場所を決めないフリーロケーションの活用も有効です。

abc分析については、以下の記事を参考にしてください。

 

業務マニュアルの作成・共有

入庫業務のマニュアルを作成してルール化を図ることも重要です。

マニュアルに沿ってスタッフ全員が同じ対応ができるようになれば、ミスの抑制につながります。新人スタッフに業務内容を教育する際も、マニュアルがあればスムーズに行えて時間や人的コストを削減できるでしょう。

いざミスが発生したときの対策も、マニュアル化しておくことをおすすめします。マニュアルがあれば、ミス発生時に現場で対応できる範囲が広がり、被害を最小限に食い止められる可能性があります。

倉庫管理システムの導入

倉庫管理システム(WMS)の導入も検討してみましょう。倉庫管理システムがあれば、在庫の状態をリアルタイムで確認・共有できます。入庫商品の情報や時間、場所などの登録も可能です。

ただし、システムを導入しただけでは大きなメリットは得られません。最大限に活かすには、ハンディターミナルと併用するなどの工夫も必要です。ハンディターミナルでバーコードを読み取って入庫情報を自動的に登録できるようにすれば、入庫作業におけるヒューマンエラーを減らせます。倉庫管理業務全体の見直しや効率化も図れるでしょう。

倉庫管理システムの導入を成功させるには、前項で紹介した業務マニュアルの作成・共有もポイントとなります。 なお、浜松委托運送では独自のWMSを活用し、徹底した在庫管理を行っています。

 

入出庫時間を調整する

入出庫の作業時間をずらし、同時に行わないようにするのもポイントです。

入庫作業と出庫作業を並行すると、人手不足や動線の交錯などにより思わぬミスが生じるおそれがあります。企業ごとに入庫日や時間、出庫のタイミングが違う場合は、各企業に調整をお願いしてみましょう。入庫だけに集中できる環境を整えることで、入庫作業の効率を向上できるはずです

ただし、企業によって在庫数の管理方法が異なる可能性があります。運用方法のズレによって、在庫差異などが発生してしまうかもしれないため、事前にすり合わせを行うようにしましょう。

まとめ

入庫業務は、物流品質や顧客満足度に直結するため、適切に行うべきです。

ただし、ヒューマンエラーによる在庫差異などを完全に防ぐのは難しく、課題に感じている方も多いのではないでしょうか。

入庫作業を適切化および効率化する方法としては、本記事で紹介した倉庫内の整理や、ロケーション管理の活用、マニュアルの作成・共有などがあります。自社で取り組めそうなものから始めてみてください。また、倉庫管理システム(WMS)の活用も、在庫差異の予防に役立ちます。

自社での取り組みが難しい場合は、アウトソーシングを検討するのも方法です。浜松委托運送では、関東圏にも関西圏にもアクセスしやすい静岡県浜松市という立地を活かし、コストパフォーマンスの高い物流サービスを提供します。独自のWMSにより高精度の在庫管理も可能ですので、アウトソーシングをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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