冷凍倉庫の電気代を節約する方法7選!電気料金高騰の背景も解説

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昨今ではコロナ禍の影響もあり経済活動が停滞しています。それに伴い電気代が高騰している実態もあり、高額な電気代が発生する冷凍倉庫も例外ではありません。

そこで本記事では、電気料金が高騰している理由を具体的に解説します。記事の後半では、冷凍倉庫の電気代を節約する方法7選も解説します。本格的に冷凍倉庫の電気代を節約したい方は、参考にしてみてください。

冷凍倉庫の電気代が上がっている背景とは?

電気代が上がる背景

冷凍倉庫の電気代が上がっている大きな理由は、電気料金が高騰していることです。それではなぜ電気料金が高騰しているのでしょうか。具体的な理由を解説します。

電気料金の高騰

昨今では石油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格が高騰し、電気料金の値上げが相次いでいます。電力会社も料金プランを見直しており、電気料金は高騰している一方です。契約更新時に適用していた割引も撤廃するようになり使用量も上がっています。

もちろん電気は冷凍倉庫だけでなく、日々の生活でも使用します。今後も電気料金は上がる傾向にあるため、一人ひとりが電気代が上がることを認識すべきでしょう。

液化天然ガス(LNG)の輸入価格の上昇

先述のとおり、現在、液化天然ガス(LNG)の輸入価格が上昇しています。液化天然ガスとは、メタンを主成分とした天然ガスを冷却したものです。それではなぜ液化天然ガスの価格は上昇しているのでしょうか。具体的な理由を解説します。

新型コロナウイルスの影響

現在の経済活動は、新型コロナウイルスの影響で停滞しています。経済活動の停滞に伴い原油価格も低迷し化石燃料からの投資撤廃も加速している状態です。その結果、石油やLNGガスの供給も不足し電気代の高騰につながっています。

しかし、新型コロナウイルスの影響を受けたものの、今後の液化天然ガス市場は順調に成長すると言われているのです。実際にアジアからの需要は右肩上がりとなっており、今後も上昇することが想定されています。

脱炭素社会実現の影響

脱炭素とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出をなくすことです。現在は脱炭素の社会を目指しており、その流れで石炭の使用を減らし環境負荷の少ない液化天然ガスへシフトしています。そのため液化天然ガスの需要も高くなり、価格が上昇する結果となりました。

しかし、液化天然ガスも少量とはいえ多少のCO2を排出しています。そのため、液化天然ガスも将来的に脱炭素規制の対象となるかもしれません。

世界情勢の影響

液化天然ガスの輸入価格上昇は、世界情勢の影響も受けています。ロシア軍のウクライナ侵攻も影響しており、日本はロシアからの輸入が多いため大きなダメージを受けています。

経済制裁に対しロシアからの輸出量を減らせば、日本だけでなく世界のエネルギー供給にも大きな影響が出てしまうでしょう。

冷凍倉庫の電気代を節約する方法

冷凍倉庫の電気代節約方法

冷凍倉庫の電気代を節約する方法はさまざまありますが、当社では以下の対策を行っています。

✔:1日2回温度を記録する

庫内の温度を記録することで、どれほど電力を使用しているのか把握することができます。人数が多い日では庫内の温度も変化するため、日によって異なる空調機の稼働率も確認できます。

倉庫の電気代を節約するには、どれほどの電力を使用しているのか把握することが大切です。まずは1日2回ほど庫内の温度を記録してみましょう。

✔:デマンド装置の使用

デマンド装置とは、電気代を決める基準となるデマンド値を把握する装置です。デマンド装置は規定の電気使用量を超えるとアラートが鳴るため、電力の使いすぎを防ぐことができます。

視覚と聴覚でかんたんに電気の使用量がわかるので、電気代を節約したい場合は設置しておきましょう。

✔:扉の開閉を素早くする

扉が開いた状態が続くと、冷気が外に逃げてしまいます。空調機は再び庫内を冷やそうとするため、さらに電気代がかかってしまうでしょう。

冷気が逃げて庫内の温度が変わらないように、当社では扉の開閉を素早くしています。

✔:新しい倉庫には太陽光パネルを設置

新規に倉庫を立ち上げる場合は、太陽光パネルを設置しています。設置費用が高いデメリットはあるものの、電力会社に支払う電気代を太陽光発電で浮かせることが可能です。

また、太陽光パネルを設置することで節電意識が高まるメリットもあります。設置前と比べて電気使用量が1割ほど少なくなったというデータもあり、社員全員で節電の意識を高めることが可能です。

また、その他にもフィルターの清掃や設置物の置き方を工夫するなど、電気代を節約する方法は多くあります。具体的にどのような節約法があるのか確認してみましょう。

フィルターの清掃

フィルターを定期的に清掃することで、空調機の稼働に必要な電力を抑えることが可能です。フィルターが汚れてしまうと空調機はエネルギーを無駄に使用するため、電気代もかかってしまいます。

また、家庭用のエアコンもフィルターを清掃することで、約7%の電気代が削減できると言われています。倉庫で使用する空調機も同様に、フィルターを定期的に清掃すれば電気代を節約することができるでしょう。

物の置き方の工夫

電気代を節約するには、庫内で保管する商品の置き方にも注目してみましょう。冷凍された商品は庫内では保冷剤と同じ役割を果たすため、できるだけ多くの商品を保管することが大切です。

たくさんの冷凍商品を保管することで、冷気が逃げなくなり自然と庫内の温度も保たれます。商品を保管する際は、なるべく隙間を作らずに詰めて保管するとより冷気が保たれるでしょう。

電気料金の安い夜間を利用

電気料金の安い夜間を利用し、前もって商品を冷やしておくことで電気代を節約できます。23時〜7時の間は電気代が安いといわれており、夜間に倉庫を稼働させることも電気代を節約させるポイントです。

また、冷凍倉庫の管理に必要な「霜取り作業」は、多量の電気を消費すると言われています。こうした大きな電力を必要とする作業も夜間に済ませてしまえば、電気代を大幅に削減できます。

まとめ

今回は、電気料金が高騰している理由と、冷凍倉庫の電気代を節約する方法をご紹介しました。

電気料金が高騰している大きな理由は、液化天然ガスの輸入価格が上昇していることです。コロナ禍の影響で経済活動が停滞している実情もあり、液化天然ガスの輸入価格は高騰しています。

最後に冷凍倉庫の電気代を節約する方法をまとめます。

  • 1日2回温度を記録する
  • デマンド装置を利用する
  • 扉の開閉を素早くする
  • 太陽光パネルを設置する
  • フィルターを清掃する
  • 物も置き方を工夫する
  • 電気料金の安い夜間を利用する

とくに、夜間の23時〜7時の間は電気料金が安いと言われているため、大幅に電気代を節約したい場合は夜間に商品を冷やすことがおすすめです。

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