楽天市場で商品を販売している店舗運営者にとって、楽天最強翌日発送ラベルの取得は売上アップの大きな鍵となります。この最強配送フラグ(商品ページに表示される特別なマーク)は、2024年7月より開始されました。このラベルは、ユーザーがより早く商品を手に入れられることを視覚的に示すものです。
楽天最強翌日配送に対応することで、競合他社との差別化が図れます。さらに、楽天市場内での検索順位の向上にも繋がるメリットがあります。ユーザーは納期の早い商品を好む傾向があります。そのため、このラベルの獲得は売上増加にも直結するのです。
最強翌日配送は、商品ページに「最短翌日お届け」と表示されるため、購入を迷っているユーザーの背中を押す効果も期待できます。楽天市場内での露出機会が増えるため、集客力アップも見込めるでしょう。
【この記事で分かること】
- 自社・外部委託倉庫から出荷する場合の楽天最強翌日配送のラベルを獲得する条件
- RSLから商品を出荷する場合の条件
- 条件を満たすための手立て
目次
楽天最強翌日配送ラベル獲得の条件
楽天最強翌日配送のラベルを獲得するには、いくつかの条件を満たす必要があります。その条件の満たし方には、主に「自社・外部委託倉庫から出荷する場合」と「RSL(楽天スーパーロジスティクス)から出荷する場合」の2通りがあります。
それぞれのケースで必要な条件は異なりますが、どちらの場合も楽天ユーザーに対して迅速かつ確実な配送サービスを提供できることが求められています。
まずは自社または外部委託倉庫から商品を出荷する場合の条件について詳しく見ていきましょう。
楽天SKUに対応させる
楽天SKU(Stock Keeping Unit:在庫管理単位)とは、商品登録単位を最小の品目数にするシステムです。これに対応させることで、同じ商品でもサイズやカラーなど異なるバリエーションを1つの商品ページ上に表示させることができます。
例えば、Tシャツを販売している場合、サイズやカラーごとに別々の商品ページを作成する必要がなく、1つのページでSサイズの赤、Mサイズの青といった商品バリエーションをまとめて表示できるようになります。
これにより、ユーザーは商品を見つけやすくなり、購買体験中に離脱することを防ぐ効果があります。また、運営側も商品管理が効率化されるメリットがあるのです。
お届け日表示機能に対応させる
お届け日表示機能とは、配達日時が指定できる商品を1SKUごとに発送元の住所と出荷リードタイムを登録するシステムです。これにより、ユーザーは商品ごとに最短でいつ届くのかを簡単に把握できるようになります。
この機能を導入することで、最短指定可能日を絞り込み検索が行えるようになり、急ぎで商品が必要なユーザーにとって非常に便利な仕組みとなります。
店舗基準を満たす
楽天最強翌日配送ラベルを獲得するためには、店舗としていくつかの基準を満たす必要があります。具体的には以下の4つの条件があります。
- 納期の遵守率96%以上
- 6日以内のお届け件数80%以上 (商品の性質上、6日以内の配達が難しい商品は母数から除外可能)
- 出荷件数が月100件以上
- 出荷無料ライン(送料込みライン39ショップ)の導入
それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。
納期の遵守率96%以上
納期の遵守率とは、ユーザーに提示したお届け日に対して、どれだけ約束を守れているかを示す数値です。楽天では96%以上の確率で納期を守れていることが求められます。
この基準は非常に重要です。既にラベルを獲得した後でも確率が下がると、ラベルを取り消されることもあります。そのため、常に高い遵守率を維持し続ける必要があります。
注意すべき点として、この判定基準は「購入者の元に商品が届いた日」ではなく「商品を発送した日」で判定されます。
6日以内のお届け件数80%以上
この条件は、ユーザーが購入した商品が6日以内に届けられている割合が80%以上であることを示します。納期遵守率と同様に、お届け日ではなく発送日を基準に判定しています。
また、季節のイベントに則した商品や先行予約の商品など、性質上6日以内の配達が難しい商品は母数から除外できるという例外規定もあります。
出荷件数が月100件以上
最低でも月に100件以上の出荷件数を確保する必要があるという条件です。これは店舗の安定した運営実績を示す指標として設けられています。
ただし、直近12ヶ月の出荷件数が500件以上であり、以下の条件を満たす場合、例外として基準を満たしたとみなされます。
- 前月平均客単価が5万円以上
- 直近12ヶ月の売上総額のうち特定の1ヶ月だけで3割以上を占める
これは高額商品を扱う店舗や季節性の強い商品を扱う店舗に配慮した例外規定です。出店する店舗のマーケティングの力量や規模によって達成の難易度は変わってきます。
出荷無料ライン(送料込みライン39ショップ)の導入
出荷無料ラインとは、楽天が導入した送料形態を指します。以前はショップごとに送料無料になる金額が設定されていましたが、わかりにくいというユーザーの不満を解消するために全ショップで統一されました。
具体的には、3,980円以上の購入で一律で送料が無料になるというシステムです。ただし、沖縄・離島の場合は9,800円以上の購入が必要になります。
商品基準を満たす
楽天最強翌日配送のラベルを獲得するためには、店舗基準だけでなく、商品自体にも満たすべき基準があります。商品基準は以下の3つです。
- 365日いつでも出荷が可能
- 日付指定が可能
- 午前の注文の場合、「翌日お届け」指定可、午後の注文の場合、「翌々日お届け」指定可
これらの条件一つ一つを詳しく見ていきましょう。
365日いつでも出荷が可能
年末年始や月1回の休業日を除き、365日商品が出荷可能な体制を整える必要があります。
店舗基準の「6日以内のお届け件数80%以上」と同様に、バレンタインチョコやおせちなど、イベントに合わせて特定の日の配送が必要な商品は例外となります。
また、予約商品などの注文時にまだ販売されていないものも例外として認められています。しかし基本的には土日や祝日も含めて出荷できる体制を整えることが求められます。
日付指定が可能
この条件は、ユーザーが配送予定日の指定を行えることを指します。具体的な到着日をユーザーが指定できることで、不在による再配達の削減や、プレゼントなど特定の日に届ける必要のある商品に対応できます。
日付指定ができない配送方法でも「追跡可能メール便」のうち翌日お届けが可能な配送サービスについては認定の対象となります。
午前の注文は「翌日お届け」午後の注文は「翌々日お届け」を指定可
午前中(正午12時まで)の注文については、翌日のお届け指定を可能にすることが求められています。また、土日祝日については、午前中の注文締め切り時間を最短で午前9時に設定することができます。
一方、正午12時を過ぎてからの注文については、翌々日のお届け指定を可能にする必要があります。この条件は、物流面での現実的な対応を考慮した上で設定されています。
RSLから商品を出荷する場合の条件
RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用して商品を出荷する場合、自社・外部委託倉庫から出荷する場合と同じく「楽天SKUへの対応」が条件の一つとなります。
それに加えて、RSL固有の条件も存在します。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。
RSLについて
RSL(楽天スーパーロジスティクス)とは、楽天が提供している出店店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。簡単に言えば、商品の保管・梱包・発送を楽天に任せられるサービスです。
楽天の公式サービスであるため、楽天最強翌日配送に対応できるよう、土日祝日でも出荷作業を行ってくれます。
RSLのお届け日時表示機能を使う
RSL倉庫から商品を出荷する場合は、「RSLお届けサービス」の利用が必須となります。お届け日時表示機能はRSLお届けサービスの機能の1つであり、最短の配達日を自動計算して、商品のページに表示させる機能です。
この機能により、ユーザーは商品ごとの配送日数を一目で把握できるようになり、購入の意思決定がスムーズになります。
店舗基準の1項目を満たす
RSLから出荷する場合、通常の店舗基準のうち多くの項目が免除されるという大きなメリットがあります。具体的には、以下の3つの条件が免除されます。
- 納期の遵守率96%以上
- 6日以内のお届け件数80%以上
- 出荷件数が月100件以上
これらは楽天の公式物流サービスを利用することで自動的に基準を満たすと見なされるため、店舗側の負担が大幅に軽減されます。
そのため「出荷無料ライン(送料込みライン39ショップ)の導入」のみを満たす必要があるのです。
楽天最強配送の条件を満たすための手立て
楽天最強配送ラベルを獲得するためには、前述した条件を満たす必要がありますが、それには様々な対策や工夫が必要です。
ここからは、条件達成のための具体的な手立てについて紹介していきます。自社の状況に合った方法を選び、効率的にラベル獲得を目指しましょう。
土日祝対応の物流倉庫に委託する
店舗基準、商品基準を満たす上で最大のハードルとなるのが、土日祝も含めた365日の出荷体制の構築です。自社で全ての日に対応するのは人員配置や運営コストの面で非常に困難です。
そこで有効なのが、土日祝対応可能な物流倉庫への業務委託です。委託することで、業務を大幅に効率化しながら条件を満たすことが可能となります。
例えば浜松委托運送は、土日祝も対応している物流倉庫です。通常の常温倉庫だけでなく低温倉庫・除湿倉庫での管理も可能なので、幅広い商品ジャンルに対応できます。
さらに配送業務だけでなく、独自のシステムを使った受注管理や在庫管理も請け負うことができるため、ラベル獲得の条件を満たしやすく、幅広い商品を最強翌日配送に対応させることができるというメリットがあります。
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管理システムの導入
在庫管理・受注管理を効率的に行うための専用システムの導入も有効な手段です。これは商品の在庫状況や注文情報をコンピューターで一元管理するためのソフトウェアです。
RSLを利用しない場合でも、SKUごとに在庫数と保管場所の管理ができるシステムを使うことで、出荷業務の効率化が図れます。例えば、どの商品がどこにいくつあるかを瞬時に確認できるようになります。
出荷フローを見直す
楽天最強配送ラベル獲得を目指すなら、既存の出荷作業の流れ(出荷フロー)の見直しも重要です。商品の受注から発送までの一連の流れを最適化することで、配送条件を満たしやすくなります。
特に見直すべき点としては以下のようなものがあります。
- 配送作業に必要な人数:繁忙期と閑散期で人員配置を工夫する
- 商品別の出荷方法:商品の特性に合わせた梱包・発送方法を選択する
- 土日祝の問い合わせ対応:休日でも顧客対応ができる体制を整える
- 休業日の見直し:年間休業日数を最小限に抑える
- 注文締め切り時間の設定:午前・午後の締切時間を明確にする
- 出荷リードタイム(注文から出荷までの所要時間):短縮できないか検討する
- 配送リードタイム(出荷から配達までの所要時間):より速い配送業者と契約する
- 配送日時指定の最適化:顧客が選べる配送日時の範囲を調整する
出荷フローを見直すことで、業務の効率化を図れます。また、かかるコストや業務量を削減することも可能です。
これらの改善により、納期の遵守率を高めることができ、出荷件数の条件も満たしやすくなるというメリットがあります。
商品ジャンルを絞る
すべての商品を最強翌日発送に対応させることは、特に取扱商品数の多い店舗にとっては負担が大きいでしょう。そのため、注力したい商品のみを対応させるという戦略も有効です。
例えば、利益率の高い商品や、競合他社との差別化を図りたい商品、季節性の高い商品などを選択的に対応させることで、コストと効果のバランスを取ることができます。
相談窓口に相談する
楽天市場では、物流に関する相談窓口を設置しています。専門のコンサルタントが個別対応を行っており、物流オペレーションや出荷体制の強化など、具体的な提案を受けることができます。
特に最強翌日配送の条件達成に向けた取り組みについては、豊富な知見を持つコンサルタントからのアドバイスが非常に役立ちます。
窓口を利用するには「店舗運営Navi」に店舗アカウントでログインする必要があります。自社だけでは解決が難しい課題がある場合は、積極的に活用すると良いでしょう。
楽天最強配送の条件をクリアしてラベルを獲得しよう
楽天最強配送ラベルの獲得は、楽天市場での売上拡大に大きく貢献する重要な施策です。
自社・外部委託倉庫から出荷する場合は、店舗基準と商品基準の両方を満たす必要があります。一方、RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用する場合は条件が大幅に緩和され、取り組みやすくなります。
条件を満たすための効果的な方法をまとめると:
- 土日祝対応の物流倉庫への委託が最も効果的です。特に浜松委托運送のような専門業者に委託することで、最強翌日配送の条件を効率的に達成できるでしょう。
- 管理システムの導入で出荷作業の効率化とミス防止ができます。
- 出荷フローの見直しにより、業務プロセスを最適化できます。
- 商品ジャンルの絞り込みで、特定商品だけに対応することも戦略の一つです。
- 楽天の相談窓口の活用で、専門家のアドバイスを受けることができます。
最強翌日配送ラベルの獲得は一度取得して終わりではありません。獲得後も条件を維持し続ける必要があります。長期的な視点で物流体制を整えることで、顧客満足度の向上と売上増加の両立を図りましょう。
浜松委托運送では、土日祝日も出荷対応、お客様のビジネスをサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
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