シングルピッキングとは?意味やメリット・デメリットを解説

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シングルピッキングとは、一つの注文ごとに商品を保管場所から取り出していくピッキング方法のことです。シングルピッキングには、作業内容が単純で覚えやすい、ミスが起きにくいなど多くのメリットがあります。ただし、事業によっては業務効率が悪化してしまうケースもあるため注意しなければなりません。

この記事では、シングルピッキングのメリットとデメリット、トータルピッキングとの違い、効率化のポイントについて解説します。自社にシングルピッキングが向いているか判断したい方は、参考にしてみてください。

 

■この記事でわかること

  • シングルピッキングの意味
  • シングルピッキングのメリット・デメリット
  • シングルピッキングを効率的に行う方法

 

シングルピッキングとは

シングルピッキング(オーダーピッキング)の意味

シングルピッキングとは、一つの注文オーダーごとに倉庫内の保管場所から商品を集めてくる方法のことです。「摘み取り式」「オーダーピッキング」などと呼ばれることもあります。

注文ごとに保管場所へ行く必要があるため、1回の注文に対して倉庫内を一往復するのが基本です。注文のたびに保管場所に行くのは手間がかかりますが、注文ごとにピッキングを行うため、出荷をまとめて行う際も並行してピッキング作業をできるのが特徴です。

トータルピッキングとの違いは?

トータルピッキングは、複数の注文に対してまとめてピッキングを行う方法です。ピッキングの流れとしては、まず複数の注文をまとめたうえで商品を種類ごとに分類し、それらをすべてピッキングしてから、別の場所で注文ごとに商品の仕分けを行います。

つまり、トータルピッキングは複数の注文に対して移動は一往復で済みますが、仕分けという工程が追加で発生するのが特徴です。一方のシングルピッキングは、複数の注文に対して注文の数だけ往復するため、仕分けが必要なく、一つの工程で済ませられます。

シングルピッキングのメリット

シングルピッキングは作業がシンプルであることから、注文から出荷まで短時間で対応しやすい点が魅力です。また、新人スタッフに対しても教育がしやすい、ミスが起きにくいといったメリットも期待できます。

短時間でピッキングができる

シングルピッキングは仕分け作業が不要のため、一つの出荷までにかかる時間はトータルピッキングより短くなります。特に注文が少ない場合は効率良くピッキングができるため、倉庫内業務の時間短縮につながるでしょう。

また、仕分けが必要ないことから、数量ミスがあった場合に対応しやすい点もメリットの一つです。

ミスが起きづらい

シングルピッキングは作業が簡単なためミスが起きにくく、機械を利用することでさらにピッキングの精度を高めることも可能です。トータルピッキングの場合、指定された数の商品を数えるという工程が必要になるため、入れ間違いなどのミスにつながりやすくなります。

もしシングルピッキングで間違いが起きたとしても、すでに注文ごとに仕分けられているため、ピッキングリストがあれば迅速に対処できるでしょう。

在庫状況の把握がしやすい

シングルピッキングでは、一つひとつのオーダーごとにピッキングを行うことで、ピッキング後の商品の在庫状況も一つずつ反映されます。このため、在庫の状況がリアルタイムで把握しやすいのが特徴です。

在庫が減っていることをリアルタイムで確認できれば、在庫補充などの業務も臨機応変に対応しやすいでしょう。

教育を行いやすい

作業内容がシンプルなぶん、新人スタッフの教育がしやすい点もシングルピッキングのメリットです。通常、新人の教育には時間やコストがかかりますが、シングルピッキングをメインにしている場合は、経験がないスタッフでも作業に取り掛かりやすくなります。

シングルピッキングのデメリット

シングルピッキングには多くのメリットがある一方で、移動距離と作業時間が長くなりやすいというデメリットも存在します。業務効率を低下させないためにも、自社の倉庫・商品に適したピッキング方法なのか見極めたうえで活用しましょう。

移動距離が長い

シングルピッキングは注文の数がピッキング数に直結するため、注文が多ければそれだけ往復する回数も増えてしまいます。何度も往復していると従業員の負担が大きくなり、結果的にトータルピッキングよりも体力を使うことになるでしょう。

作業時間が長い

シングルピッキングを行う場合、同一商品の注文が繰り返しあると走行経路が重複するため、無駄な作業が発生してしまいます。この場合はまとめて商品を取り出すトータルピッキングのほうが負担が少なく、作業時間も短時間で済むでしょう。

また、返品作業が必要なときは一つひとつ商品を棚などに戻していく必要があり、手間がかかるのもデメリットです。

シングルピッキングが向いている条件

シングルピッキングが向いてる条件として、主にBtoCやEC通販の事業を行っているケースが挙げられます。BtoCやEC通販では、異なる商品を組み合わせて梱包するなど、注文ごとに手間を加える場合が少なくありません。このため、まとめて商品を集めてくるトータルピッキングよりもシングルピッキングのほうが適切といえます。

また、SKU(最小識別単位)の数が多い場合や、商品の出荷件数が少ない場合にも適したピッキング方法です。ただし、上述のとおりデメリットもあるため、現場の状況に応じてトータルピッキングも併用すると良いでしょう。  

シングルピッキングを効率化するには

シングルピッキングの効率化を図るには、以下2つの方法が効果的です。

  • マテハン機器を利用する
  • WMS(倉庫管理システム)の導入

以下でそれぞれ詳しく解説します。

マテハン機器を利用する

マテハン機器とは、物流業務の効率化や自動化のために使用される機械のことで、さまざまな種類があります。例えば、ハンディターミナルを活用すると、ピッキング後や梱包前に商品を照合して検品することが可能です。これにより、シングルピッキングの精度やスピードの向上に貢献するでしょう。

ほかにも、AGV(無人搬送ロボット)やAMR(自律走行搬送ロボット)などのピッキングロボットを利用することで、人為的なミスの削減と作業の効率化を両立できます。倉庫内のスペースや使用できるコストなどを見直し、自社にあったものを導入することが大切です。

WMSの導入

WMS(倉庫管理システム)を導入することで、在庫データをリアルタイムで把握できるようになります。WMSには、シングルピッキングリストを出力する機能が搭載されているため、作業を行うスタッフに対して最適な指示を出すことが可能です。これらの機能によって、ピッキング作業の効率化が実現できます。

また、WMSは入出荷管理、在庫管理の機能などが備わっており、ピッキングだけにとどまらず物流業務全体の効率化も見込めるでしょう。 WMSのメリットや選び方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

シングルピッキングは、一つの注文ごとに商品を保管場所から集めるシンプルなピッキング方式です。作業が単純なぶんミスが起きにくく、一つの注文に対するピッキングが短時間でできるなどのメリットがあります。

ただし、シングルピッキングには移動距離・作業時間が長くなりやすいというデメリットもあるため、特徴を理解して取り入れることが大切です。ハンディターミナルやAGVなどのマテハン機器を利用したり、WMSを利用したりすることで、シングルピッキングの効率化が図れるでしょう。

業務の効率化やミスの削減など、ピッキング業務に関するお悩みがある方は、浜松委托運送までぜひお気軽にご相談ください。

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