倉庫を安く建てるには?建築方法や建てる際の注意点について紹介

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在庫数が増え、新たな物流倉庫を用意する必要が出てきたとき、建設費用はできる限り抑えたいと考えるのが当然でしょう。建てる土地や資材、工法などを工夫すれば、倉庫を安く建てることは可能です。ただし、初期費用を抑えることばかり意識していると、耐久性が悪くなったり、別途費用がかかったりなどの問題が発生して後悔してしまいかねません。

本記事では、倉庫を安く建てる方法と、安く建てるうえでの注意点を解説します。物流倉庫の建設をお考えの方は、いざ完成してから後悔しないためにも参考にしてみてください。

 

■この記事でわかること

  • 倉庫を安く建てる方法
  • 倉庫を安く建てる際のポイント
  • 倉庫を安く建てる際の注意点

 

倉庫を安く建てるには?

倉庫を安く建てるためには、以下5つのポイントを意識してみましょう。

  • 倉庫の工法を工夫する
  • 建築資材を工夫する
  • 総工費を変更する
  • 地盤が良い土地を探す
  • 補助金を活用する

順に詳しく解説します。

倉庫の工法を工夫する

倉庫建築は、システム建築・テント建築・プレハブ建築の3つの工法に分かれており、それぞれ特徴が異なります。

システム建築 設計から建築までをシステム化したもの
テント建築 骨組みにシートを被せる構造、短い工期で安く建築ができる
プレハブ建築 工場で加工・製造された部品を現場で組み立てて作る

 

実際の工費は、「システム建築>プレハブ建築>テント建築」となるのが一般的です。システム建築は公費が高くなる傾向にありますが、耐久性に優れており、大型の施設や工場などで利用されています。

倉庫を安く建てることを重視するのであれば、テント建築がおすすめといえるでしょう。耐久性はシステム建築やプレハブ建築に劣るものの、低コストかつ建築期間が短い点がメリットです。

またテント倉庫は、倉庫・物品保管としての役割に限定し、国土交通省に定められた条件を満たすことで、緩和措置を受けられるケースがあります。これにより、ほかの工法に比べてより建築費用を抑えることも可能です。

建築資材を工夫する

倉庫の構造は、鉄骨と鉄筋コンクリート、木造の大きく3種類に分けられ、それぞれ以下のような特徴があります。

倉庫の構造 特徴
鉄骨

・柱や梁などが鉄骨でできている
・軽量で耐久性が高い

鉄筋コンクリート ・柱や梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートでできている
・コストが高くなりやすい
木造 ・現存する倉庫の20%は木造といわれている
・安価で軽量、環境に優しい
・耐久性はほかの構造より劣る

できるだけ費用を抑えたいのであれば、安価で軽く、環境にも優しい木造を検討すると良いでしょう。ただし、耐久性ではほかの構造に劣るほか、壁や天井にはコンクリート、ガラスといった不燃材料・準不燃材料を使用しなければいけないなどの制限もあります。

上記をふまえ、自社に合った建築資材を選ぶことで、倉庫建設にかかる費用を抑えることが可能です

総工費を変更する

建築工法や建築資材、建築場所が決まっており変更できない場合は、内装や電気空調費などでコストダウンできないか検討してみましょう。倉庫を建てる費用は外装費だけではないため、他の項目も精査することで、倉庫を安く建てられる可能性があります。

特に内装にはかなりの金額がかかることが想定されるため、本当に必要なものなのかをもう一度考え、コストダウンできそうな要素を吟味してみてください。

地盤が良い土地を探す

倉庫は耐久性が重要であり、地盤が弱い土地だと追加の補強杭を打つ対策が必要となる場合があります。補強杭はコストに大きく影響するため、安い土地を選んでも最終的に費用が高くなってしまうかもしれません。

特に新規の造成地は埋め立て地のケースが多く、地盤が弱い可能性があるため注意が必要です。土地を探す際はボーリングデータを利用し、地盤について理解しておくと良いでしょう。

補助金を活用する

国や自治体による補助金制度を効果的に活用することで、倉庫建設にかかる費用負担を下げられます。倉庫建設時に利用できる補助金の例は、以下のとおりです。

制度 詳細
事業再構築補助金 中小企業の事業転換や事業拡大を支援する補助金であり、
倉庫の新設に対する補助が受けられる
HACCP補助金 食品管理上の手法であるHACCP条件を満たす倉庫を支援する補助金で
食品関連業者であることが条件
サプライチェーン対策補助金 サプライチェーン弱体化を食い止めるための工場建設や
整備に必要な設備を補助するもので製造業に適用される

適切な条件を満たすことで補助金を受け取れるため、倉庫建設にかかる費用を抑えられるでしょう。場合によっては、自治体が用意している補助金の対象となるケースもあるため、該当する自治体の情報をチェックしてみてください。

倉庫を安く建てる場合の注意点

倉庫を安く建てることばかり考えていると、建設後の耐久性やメンテナンス、管理コストなどで後悔してしまう恐れがあります。工法や資材選びも大切ですが、倉庫がなぜ必要なのか、長期的に考えてどのような運用を行うかといった点も考えておく必要があります。

先を見据えた倉庫建設を行う

倉庫の中に保管する製品の性質や、利用したい年数などを考えてから建てなければ、あとからメンテナンス・建て替えが必要になり、結果的にコストがかさむ可能性があるでしょう。

上記でも触れたとおり、安い土地を選んでも、地盤が弱ければ補強杭を打つのにコストがかかってしまいます。また、長年使う想定にも関わらず強度の低い資材ばかり使用してコストを抑えると、頻繁にメンテナンスや建て替えを行わなければなりません。

初期費用が高くついても、長い目で見たら安かったという場合もあるため、先を見据えたうえで適切な倉庫を検討することが大切です。

倉庫を建てる必要があるのかを検討する

倉庫を自社で保有し続けるには、管理費や人件費、メンテナンス費などさまざまなコストがかかります。近年は材料費が高騰しており、建設のための初期費用が予想していた価格より大幅に高くなることも考えられるでしょう。

物流にかかるコストを抑えることが目的であれば、倉庫を建てる目的や用途は何かを今一度考える必要があります。倉庫の必要性は感じているものの、自社で建設・運用すべきかどうか悩んでいる場合には、アウトソーシングを検討するのも一つの方法です。物流のプロに倉庫業務をアウトソーシングすることで、管理の負担が減るだけではなく、倉庫の施工や維持にかかる費用が必要なくなり、総コストを抑えられる可能性があります。

浜松委托運送では常温倉庫・低温倉庫・除湿倉庫のいずれも備えており、商品ごとに最適な環境で管理を行っています。また、日本の中心地である浜松に拠点を構えているため、関東圏と関西圏どちらに対しても効率的な配送が可能です。

事前に建設における準備・確認をする

倉庫内で利用したい機械・設備などがある場合、早めに準備を進めておくことをおすすめします。建設のスケジュールが後ろ倒しになり、機械・設備の準備が遅れた結果、想定していた金額より見積もりが値上がりしてしまうケースもあるためです。

また、倉庫建築にはさまざまな法律があり、構造や床面積、防火性能などについての規定を理解しておかなければ、工事停止・使用禁止などが命じられてしまう可能性があります。守るべき規定をふまえたうえで、必要な機械や設備が何か、壁を作るべきか、同じ広さでもどのような形にすれば作業効率の良い倉庫になるかといった点を検討しましょう。

まとめ

倉庫を安く建てるためには、工法や資材を工夫すると同時に、内装を最低限にしたり地盤のしっかりとした土地を選んだりすることが重要です。また、国や自治体の補助金制度を利用することで、工事などにかかるコストを抑える方法もあります。

ただし、建設費用を安くすることばかり考えていると、長期的に使うにあたってメンテナンスや修理のコストが高くなってしまう可能性もあります。初期費用や維持費の面で不安があるという場合、自社で倉庫を建てるのではなく物流のプロにアウトソーシングするのも一つの選択肢です。安心して管理を任せられるほか、倉庫管理にかかる費用を抑えられるという利点もあります。

浜松委托運送は、全国に対して輸送の利便性が高い浜松市を拠点としており、都市部の物流倉庫と比べるとコストを抑えられるのが特徴です。コストパフォーマンスの良い物流サービスをお探しの方は、お気軽にご相談ください。

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