輸送費とは?輸送費の内訳と削減する方法について解説

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輸送費はガソリン代や減価償却費などの物の移動にかかる費用のことです。現在はガソリン代や物価が高騰しており、物流にかかるコストにおいて輸送費は半数以上を占めています。

つまり輸送費を削減すれば、物流にかかるコストを大幅に削減でき、人件費や管理費、保管費などにあてられるでしょう。

本記事では、輸送費の内訳や削減方法について解説します。輸送費が高くなってきたと感じている方は参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

■この記事でわかること

  • 輸送費の内訳
  • 輸送費を削減すべき理由
  • 輸送費の削減方法

 

輸送費とは

輸送費とは、物の移動にかかる費用の総称のことです。主に次のものが輸送費にあたります。

  • トラックのガソリン代や減価償却費
  • 車両のチャーター費用
  • 宅配便の配送料 など

 

また、輸送費を決める要素として次の項目が関係します。

  • 交通手段
  • 輸送距離
  • 荷物の重量や体積
  • 輸送時間 など

 

輸送費は輸送にかかるコストのなかでも割合が高いため、企業の利益に影響を与えやすい重要な部分です。

また、輸送費と類似している言葉として、運送費・物流費があります。運送費は輸送費と同じ概念ですが、物流費は輸送費以外にも在庫管理や保管費用などを含めた費用です。よって輸送費は物流費の一部になります。

輸送費の主な内訳

輸送費といえば燃料費や人件費などの運賃をイメージする方も多いでしょう。しかし、運賃以外にも事故に備えた保険や国外輸送時の通関手続きなど、運賃以外にも費用がかかっています。

運賃(燃料費や人件費など)

運賃は輸送手段によって異なり、通行料や高速料金、燃料費、駐車場費用、ドライバーの人件費などを含みます。

主な輸送手段は、陸上輸送・航空輸送・海上輸送の3種類です。例えば、海上輸送であれば多くの荷物を運ぶ際に使用され、運賃が安い傾向にあります。 一方で航空輸送は早く荷物を運べますが、運賃は高めに設定されています。

保険料

輸送中に発生する事故や損害に対する保険料も、輸送費に含まれる場合があります。トラック運転による事故や船の火災など、輸送にはさまざまな事故が発生するケースが考えられるためです。

大きな事故の場合は修繕できない可能性もあるため、万が一輸送中に事故や損害が発生したときに備えて、保険をかけておく必要があります。

通関手続き費用

国外輸送の場合は、通関手続きを行うにあたって費用がかかります。通関手続き費用の要素は、関税、消費税、輸入許可証、通関手数料などです。

国内輸送が多いのであれば意識する必要はありませんが、国外輸送がメインであれば、積み重なって大きな費用になることも考えられるでしょう。

輸送費が変動する要素

輸送費は、荷物の種類や距離によって変動します。どのようにしてコストが変動しているのかを理解しておくことで、コスト削減に向けた対策を行えます。

輸送する荷物の種類

輸送する荷物の性質によって配送手段が異なるため、輸送費が変化します。荷物の種類によってはコストが高くなる可能性があります。例えば、国外輸送の荷物では、上記で紹介した通関手続き費用が必要です。

重量がある荷物の場合は、海上輸送やフェリーなど重量に耐えられる輸送手段を選択しなければなりません。緊急性が高い荷物の場合は、早く運ぶために空輸や速達オプションなどが必要です。

また輸送前後、輸送中における荷物の取り扱い費用も必要になります。具体的には保管、仕分け、積み込み、荷降ろしといった業務における人件費などが挙げられ、これらの費用も取り扱う貨物の量に応じて違いがでてくるでしょう。

輸送距離・輸送ルート

輸送費は、輸送距離やルートによって大きく左右されます。基本的には、輸送距離が長くなればなるほど輸送費がかかると考えて良いでしょう。

国外輸送は国内輸送よりも距離と時間もかかるため、輸送にかかる費用は高くなりやすい傾向にあります。

輸送費を削減すべき理由

物流業界にはさまざまな課題がありますが、輸送費を削減することは企業の利益に関係しています。以下で詳しく解説するので、チェックしていきましょう。

物流費の中で輸送費が大きな割合を占めている

2021年度物流コスト調査報告書によると、全業種における物流機能別の物流コスト構成比では、輸送費が54.3%を占めていることがわかっています。

つまり、輸送費は企業の経営に大きな影響を与えやすく、改善すれば物流にかかる大きなコスト削減につながると期待できるでしょう。輸送にかかる運賃、保険料、通関手続きの費用を、どのようにして削減するかが重要になります。

輸送費が高騰している

現在は陸上輸送の輸送費が高騰傾向にあります。その理由としては以下のようなものがあります。

  • ドライバーの人手不足
  • ガソリン価格の高騰
  • 世界的な物価上昇

ガソリンや物価の上昇によるコストアップだけでなく、ドライバーの人手不足も原因の一つです。人手不足で業務効率が悪くなってしまい、結果的に輸送費が増えてしまいます。

また新型コロナウイルスの影響によって、海上輸送や航空輸送の費用も高くなっています。コロナウイルスが落ち着いたことで高騰のピークは過ぎたものの、コロナ化以前よりも高くなっていることに変わりはありません。

世界情勢なども踏まえた際、今後も輸送費の高止まりが考えられるため、できるだけ早く削減に動いていく必要があるといえるでしょう。

輸送費を削減する方法

輸送費を削減するためには、前提として現状の輸送費について把握する必要があります。どこに費用がかかっており、どこの改善が必要なのかを判断しましょう。

事業者が輸送費削減に向けてできることを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

配送先の状況を確認する

現在の輸送費の課題を把握するために、以下のような配送の状況について確認しておきましょう。

  • 輸送はどこの企業に依頼しているのか
  • トラックの容量はどれくらいなのか

輸送を依頼している場合、同じ荷物の量でも依頼先によって費用が異なります。また、トラックの容量が少なくて荷物を運ぶ回数が多い場合は、容量を増やすことで時間短縮やコスト削減にもつながるでしょう。

現在の状態を確認し、削減できるところを探すことから始めましょう。

物流拠点の集約

物流拠点を集約することで、拠点ごとの人件費や設備の費用を削減できます。また横持ち輸送も減り、回転率の向上も見込まれるでしょう。

ただし、拠点集約によってリスクの分散が難しくなるといったデメリットもあります。また、拠点集約によりリードタイムが伸びてしまう可能性もあるため、それらのデメリットも踏まえたうえでの判断が重要です。

倉庫保管と輸送をあわせて依頼する

輸送と倉庫保管を同じ企業に頼むことで、別々にかかっていた費用がまとまり、コストを削減できるケースがあります。また、まとめることで状況を把握しやすい、別々のやりとりが必要ないなどのメリットもあるでしょう。

浜松委托運送では倉庫保管サービスに加え、JRコンテナによる輸送も手掛けており、少量の貨物でも輸送コストを抑えて配送できます。

共同輸送の実現

共同輸送とは、複数の物流企業や事業所が連携して、複数企業の商品を同じトラックやコンテナに積み込むことです。共同輸送は以下のようなメリットがあります。

  • 輸送時間の短縮
  • 荷役作業の削減

本来は別々のトラックで輸送するものをまとめられるため、輸送にかかる時間や荷物を下ろす作業の負担を減らせます。結果ドライバーの人件費や燃料費を削減でき、運賃のコストカットにつながるでしょう。

また、荷物を受け取る側にとっても、同じ荷物がまとめて届くことで対応しやすいといったメリットがあります。共同物流について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。  

混載便への切り替え

チャーター便から混載便に切り替えることで、ほかの企業と同時に配送できるため、燃料費や人件費が抑えられます

混載便は少ない荷物でも無駄なく利用できる一方で、多すぎる荷物には対応してもらえないケースがあります。また輸送に時間がかかる場合もあるため、これらのデメリットを踏まえたうえで利用するかしないかを検討しましょう。

スポット輸送の活用

スポット輸送とは、必要な時だけ依頼して輸送をお願いする方法です。荷物の量が少ない、時期によって物量に変動がある場合、定期輸送よりも費用を抑えられる可能性があります

無駄なく少ない荷物を輸送したい場合は、定期輸送からスポット輸送に契約変更するのも一つの方法です。

帰り便の利用

荷物の配送先から帰社する復路で、別の荷物を運ぶ方法が帰り便です。通常の配送には往復分の費用がかかりますが、帰り便は往復の費用が料金に含まれません

そのため、少しでもコストを抑えて発送したい場合は、帰り便の利用も有効といえます。

まとめ

輸送費は運賃や保険料、通関手続きにかかる費用などがあり、物流にかかるコストの半数以上を占めています。輸送費を削減すれば、管理費や設備投資などに費用をあてられるでしょう。

輸送費の削減には、物流拠点の集約や輸送と倉庫保管の同時依頼など、さまざまな方法が挙げられます。コスト削減に向けて、取り組めるものから実践してみましょう。

浜松委托運送では、倉庫保管サービスに加え、JRコンテナよる輸送も手掛けています。日本の中心である浜松に拠点を置いているため、コストパフォーマンスにも優れた輸送が可能です。アウトソーシングでの輸送費削減をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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