入荷とは?入庫との違いや入庫検品について解説

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入荷とは、物流におけるどの作業工程を指すのかご存じでしょうか。また、入荷に似た用語に入庫がありますが、それぞれは明確に区別されています。物流の現場では日々使われる言葉になるため、その意味を改めて確認してみましょう。

入荷作業の効率化は、物流サービスの品質向上にも繋がるポイントです。本記事では入荷の業務内容や入荷検品の重要性、効率よく入荷を行うための対策についても解説します。

入荷とは

物流業界における入荷とは、仕入れ先(主にメーカーなど)から到着した荷物を受け入れ側の倉庫に搬入することです。受け入れ作業を行うため、荷受と呼ばれることもあります。

搬入するだけなので、この時点ではまだ在庫として計上されません。到着後フォークリフトなどで荷降ろしを行い、届いた荷物の内容や数量を照合して、発注書との間に不備がないかを確認します。

間違いないことが確認できたら、入荷作業は完了です。倉庫内に搬入するため入庫という次の作業に移行します。

このように商品を受け入れる入荷に対し、注文情報をもとに商品の発送準備を進めるのが出荷という工程です。入荷と出荷の違いについて、詳しくはこちらもご参照ください。
>>出荷とは?意味や配送・発送との違いを簡単に解説

入荷と入庫の違いは?

入荷と入庫の違い

入荷とよく混同される用語に入庫があります。両者の言葉としての違いは、一般的に以下のように考えられています。

  • 入荷:倉庫に届いた荷物を受け取ること
  • 入庫:入荷した荷物を倉庫や決められた保管場所に入れること

上記の画像では、入庫から入荷までの流れを表しています。言葉の意味に違いはありますが、全体の流れを見てみると、入庫と入荷の境目は曖昧なことがわかります。入庫検品までを入荷と定義している事業者もあり、入庫と入荷を明確に区分するのは難しいでしょう。

別の例として、小売業の場合は店舗に商品入荷後、そのまま商品棚に陳列されることも多くあります。この場合は、入荷と入庫を兼ねてしまっているため、厳密な入庫の作業は発生しないことになるでしょう。

入荷検品

荷物を入荷したあと、その荷物に問題がないかを確認する入荷検品の作業に移行します。入荷検品とはどのように行われるのか、具体的な作業内容とその重要性について詳しく見てみましょう。

入荷検品とは

入荷検品とは、実際に届いた商品と入荷予定の商品との内容に違いがないかを確認、検査する作業のことです。入荷検品は正確に商品を出荷するための重要な作業工程なので、入荷後すぐに行わなければなりません。

WMS(在庫管理システム)を導入している倉庫では、倉庫内の作業管理と在庫状況を紐づけることで、発注書と現物の内容が素早く確認できます。これにより、ヒューマンエラーの発生を抑えることに繋がり、作業効率アップが可能です。

入荷検品を行った結果、出荷前に「商品の数量が違う」「傷や汚れを見つけた」「破損を発見した」などの問題にも気付けるでしょう。検品終了後は所定の場所に荷物を保管して、いつでも出荷できるように準備をします。

入荷検品の重要性

物流業務のなかでも、入荷検品は大きな意味を持つ工程です。正確な入荷検品は在庫切れによる欠品を防ぐほか、間違った商品を出荷してしまうなどのミスを避けることにも繋がるでしょう。

また、入荷された荷物に間違いがあった場合には、納期に大幅なズレが生じる前に仕入れ先へ連絡できます。WMSを利用すると仕入れ先ごとの納品履歴を確認できるため、納品ミスが多い仕入れ先をあらかじめ把握しておくことも可能です。

返品や再納品となると、その分コストや時間を要すだけでなく、場合によっては納期の遅れを招いてしまうかもしれません。物流サービスの品質向上のためにも、入荷検品を正確に行うことはとても重要と言えます。

入荷作業の効率化

入荷作業では毎日多くの荷物を取り扱いますが、いつ何時でも正確な検品を心掛けなければなりません。そのためには、具体的にどのようなことに取り組むと良いのでしょうか。日々の入荷作業を少しでも効果的に行うための方法について解説します。

倉庫内の整理整頓

倉庫内を整理整頓し、可能な限り広い作業スペースを確保することは、スムーズな入荷作業を行ううえで必要不可欠です。スタッフが動きやすい動線を確保できると、作業効率をアップさせるだけでなく、ミスの防止にも効果があります。

ハンディターミナルの活用

WMSなどのシステムを導入し、ハンディターミナルを活用した入荷作業を行うのも一案です。仕入れ先からの入荷データを読み込んで商品のバーコードを照合すると、目視よりも正確かつスピーディに検品できます。

ロケーション設定やフリーロケーション

倉庫内のロケーションの最適化も、入荷作業における重要事項です。ABC分析のデータを活用して、回転率の高い荷物を入出荷しやすい棚に保管すると良いでしょう。また、突発的な荷物の入荷にも対応できるよう、フリースペースを用意しておくのもおすすめです。

浜松委托運送の入荷業務

浜松委托運送は、「入荷が命」であるという考え方を持っています。入荷作業が正確に行われていれば、在庫不足による欠品も荷物の紛失などは起こらないためです。

このため浜松委托運送では、従業員の教育に力を入れています。それと同時に、商品をバーコード管理することで検品の質を安定できるよう、職場環境の整備と作業の標準化にも取り組んできました。

在庫管理品質向上を目指すべく、お客様の荷物が新規商品だった場合にはマスタ登録しています。このようにシステムを活用した検品により、ヒューマンエラーの防止に徹底的に取り組んでいることが大きな強みです。

まとめ

入荷の意味や作業内容、入庫との違い、効率的に入荷作業を行うためのポイントをご紹介しました。入荷の時点で不備があり、それに気付かないまま作業を進めてしまうと、倉庫内全体に悪影響をもたらしてしまいます。

結果として得意先の信用を失ったり、自社の利益を損なったりしては意味がありません。入荷作業を正確かつスムーズに行うためにも、倉庫内の整理整頓や新しいシステムを導入するなど現場の課題を改善しましょう。

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