冷凍倉庫の設備を紹介!導入時の課題も確認しよう

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冷凍倉庫設備のアイキャッチ画像冷凍倉庫を建設するときに考慮すべきポイントは何でしょうか。冷凍倉庫は野菜や冷凍食品など低温を保って管理しなければならない製品を保管するための場所です。

普通の倉庫とは違う特徴を持つため、冷凍倉庫には建設する際に必要な設備がいくつかあります。もし、設備が不十分なまま商品を保管すると、商品の汚損や劣化など様々なトラブルを発生させてしまうことになりかねません。

そこで、本記事では冷凍倉庫を建設する時に必要な設備や倉庫を運営していく上での課題について解説します。冷凍倉庫の建設を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。

冷凍倉庫に必要な設備とは

冷凍倉庫は長期にわたり低温を保つことが必要なので、他の倉庫にはない設備を設置しなければなりません。下記の設備について解説しますので、建設の際の参考にしてください。

  • エアコン
  • 冷凍機
  • ドックシェルター
  • 冷凍倉庫の温度に適応する什器

エアコン

冷凍倉庫は長期にわたり低温を保つために、エアコンは不可欠な設備です。一般家庭でもエアコンは使用しますが、倉庫内で使用する場合は氷点下に設定できるものでなければならないので、業務用のエアコンを選ぶ必要があります。

業務用のエアコンにも色々な種類があります。天井埋込型や壁掛型、床置き型など豊富に用意されているので、倉庫のレイアウトに適したものを選ぶと良いでしょう。そして、保管する製品に合わせて温度を管理することが大切です。

冷凍機

冷凍機は一般的には、「冷たくないものを冷たく冷やし、時には冷凍するための機械」として認識されています。

冷凍庫として使用するなら、庫内にあるものを冷やし凍らせ、空調としての役割を果たす際は、空気そのものの温度を下げる役割を担います。家庭用冷凍庫の規模が極めて大きくなったもの、と考えても良いでしょう。

ドックシェルター

ドックシェルターは、車両の荷台と倉庫や工場の搬入口の隙間を埋める気密装置のことです。厳重な温度管理を必要とする医薬品や冷凍食品、精密機械などを保管する倉庫や工場で使用される設備です。

ドックシェルターは搬出入口と車両の荷台を密着させることで、外気との温度差をなくし、温度を一定に保つことができます。その他、風雨・塵・埃・湿度・害虫などの侵入を防ぐ役割もあるため、クリーンな環境を必要とする業種には不可欠な設備であると言えます。

冷凍倉庫の温度に適応する什器

ここでは、冷凍倉庫内で使用できる什器を一部ご紹介します。

  • 電動式移動パレットラック(冷凍タイプ)

冷凍倉庫内の-40℃という厳しい環境にも耐えうる特殊な電動モーターや電装部品を使用しています。無線端末を利用することにより入出庫管理、ロケーション管理、在庫管理などのシステム機能が無駄のない作業環境を提供してくれます。

  • 冷凍倉庫対応無人フォークリフト

三菱グループとニチレイロジグループは、日本国内初となる-25℃冷凍倉庫対応レーザー誘導方式無人フォークリフトを共同開発しました。これにより、以前からの課題である低温環境下での作業員の負担軽減や慢性的な人手不足の解消に期待されています。

冷凍倉庫の設備基準

冷凍倉庫は普通の倉庫とは異なり、超低温の環境を維持し続けなければなりません。よって、様々な設備を必要とします。倉庫業法施行規則により、倉庫業を運営するには以下の設備基準が必要です。

  • 防水性能
  • 耐火・防火性能
  • 必要に応じた災害防止措置
  • 消火設備
  • 防犯装置
  • 通報設備

こうした様々な設備の導入により、建設コストは普通の倉庫より割高になると言えます。

冷凍倉庫導入時の課題

冷凍倉庫導入時には考慮するべき様々な課題があります。特に重要なポイントを以下に示しましたのでご紹介します。

  • 冷凍品の取り扱いについての熟知
  • 冷凍倉庫内の霜対策・湿気対策
  • 冷凍倉庫設備のコスト


冷凍品の取り扱いについての熟知

冷凍倉庫は特に厳重な温度管理が求められます。生鮮食品や冷凍食品は常温で取り扱うと傷んだり溶けてしまうなど商品の形を維持できないものが多々あります。顧客の手元に届くまで徹底した温度管理が必要なのです。

温度管理の失敗は商品の品質低下を招き、大きなクレームに繋がる可能性があります。それに加え、自社の評判や信頼を失墜させ、その後の取引に多大な悪影響を及ぼすことになります。

冷凍倉庫内で作業する場合は取り扱う商品のことを熟知していることが大切です。

冷凍倉庫内の霜対策・湿気対策

冷凍倉庫の大きな課題の一つに「霜対策」があります。倉庫内の棚や設備に霜がつくことで冷却機能が低下してしまうという問題があります。しかし、霜がつく影響は冷却機能の低下だけではありません。

こうした霜の発生は、倉庫の中に結露が発生しているということであり、放置しておくと倉庫内の衛生状態が悪化してしまう恐れがあります。食品を扱う施設と考えた場合、衛生上好ましくないことは言うまでもありません。

冷凍倉庫は湿気対策を万全にし、結露を発生させないように、霜対策をしっかりと行うことが重要です。

冷凍倉庫設備のコスト

冷凍倉庫設備で重要なポイントは、床・壁・天井の断熱性にあります。床・壁・天井の僅かな亀裂や小さな穴からでも外気の侵入を許すと、倉庫内の低温環境を維持することは非常に困難になります。

よって、定期的に倉庫内を点検することで環境の悪化を防ぐことが必要です。しかし、高い断熱性を維持するための費用は大きなコストとなり得ます。こうした費用も冷凍倉庫ならではと言えるでしょう。

まとめ

今回は、冷凍倉庫を建設する上で必要な設備や倉庫を運営する際の課題について解説しました。自社の製品や顧客から預かった大切な商品を高い品質で維持するためには冷凍倉庫は必要です。

その反面、普通の倉庫とは違い様々な設備を設置する必要があり、その分多くの初期投資がかさむことも事実です。顧客のニーズに応えるために倉庫内の環境を整える設計をし、冷気が循環する仕組みを作ることが大切であると考えます。

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