物流倉庫を改善するには?具体的な改善策をご紹介

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物流倉庫は、日々移り変わるニーズに対応していくため、定期的な業務の見直しが効率化につながります。現状の課題を把握し、スピーディに適切な改善を行えるような柔軟な姿勢が大切になるでしょう。

本記事では、物流倉庫の業務効率化に向けた具体的な改善案を複数紹介します。それぞれの特徴を理解したうえで導入を検討し、物流倉庫の業務効率化を図ってみてください。

物流業務の改善する際の考え方

物流業務の具体的な改善に取り組むにあたっては、まず現状を正しく把握することが大切です。現状の作業やコストにどういった課題があるのか理解したうえで、適切な対策を講じましょう。

物流現場では、繁忙期と閑散期の波も大きく、日によって出荷量もさまざまです。月末月初は通常日よりも作業量が増えたり、特定の曜日に大口の取引先への納品が発生したりといったケースも珍しくありません。

そこで、直近1年間や前年同月での出荷状況を見直すことで、当月当週の物量の予測が可能になります。また、定期的に週・月別の生産性を確認し、コントロールが適正にできているか見てみましょう。工程数を把握することで業務の効率化につながります。

物流現場で起きている問題は、現場で働いている人にしかわからない部分も多いのが実情です。経営陣と現場作業員では課題の視点に違いがある場合も出てくる場合もあるため、担当者へのヒアリングも行いましょう

ヒアリングを行う時間の確保が難しい場合は、業務日報を活用してみましょう。どのような作業をどのくらいの時間で行ったのか記入してもらうことで、業務の可視化が行えます。

 

物流倉庫の業務効率化に向けた改善方法

現状の課題が明確になったら、その課題を解決できる改善方法を見つけましょう。ここでは物流倉庫の業務効率化に向けた改善方法を6つ紹介します。

  • 作業レイアウト・ロケーションの見直し
  • 各種システムの導入
  • 業務に機械を活用する
  • 5S活動の徹底
  • 作業の標準化・作業マニュアルの作成

それぞれの特徴を詳しくチェックしていきましょう。

作業レイアウト・ロケーションの見直し

作業レイアウトやロケーションを見直すことで、リードタイムの短縮、ミス・事故の減少が見込めます。物流倉庫のレイアウトは、効率性と安全性のバランスを考えたうえで最適化しなければなりません。どちらかばかりを重視すると効率が悪くなったり、作業中の事故が起きたりする可能性があります。

理想的なレイアウトは、I型やU型のように一筆書きできる配置です。また、ABC分析を行ったうえで、商品の出荷頻度も考慮したレイアウトにしましょう。

物流倉庫のレイアウトについては、こちらのページでも詳しく解説しています。

各種システムの導入

在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)の導入をすることでも、業務効率化が見込めます。在庫管理システムを利用すれば入荷から出庫まで一元管理ができ、リアルタイムで在庫数が確認可能です。在庫確認がしやすくなることで、適正在庫を維持するための適切な仕入れもしやすくなるでしょう。

倉庫管理システムでは、在庫管理に加えて作業の進捗状況や従業員の生産性の確認、請求書・納品書の発行なども行えます。倉庫内業務を効率化するだけでなく、現状を把握してさらなる課題の発見にもつながるかもしれません。

業務に機械を活用する

機械の活用によって、業務を効率化することもできます。RFIDやハンディターミナルなどを利用することで作業効率が向上すると同時に、情報の信頼度が上がる点もメリットです。

物流業務の業務効率化に役立つ機械を3つ紹介します。

 

ハンディターミナル

ハンディターミナルとは、片手で持つことのできるデータ収集端末です。主な機能は「データの読み取り」「画面表示」「キー入力」「データの一時蓄積」「データの送受信」です。

人の目ではなく機械の目として導入することで、人的ミスの削減が可能になり、目視での確認時間の短縮にもつながります。業務の効率化が図れるため、人件費などのコスト削減もできます。

 

RFID

RFIDとは、電波を使用しRFタグに登録されているデータを非接触で読み書きできるシステムです。

バーコードでの商品管理では、タグを1枚1枚レーザなどでスキャンする必要があります。しかしRFIDを運用すると、電波で複数のタグを一気にスキャンしてくれるため大幅な時間の短縮が可能です。電波が届く範囲内であれば、遠くにタグがあっても読み取ることができます。

 

コードリーダー

倉庫内の商品管理にコードリーダーを使用することで、入出庫作業のスピードが上がります。広い倉庫内で商品を探す工程は最も時間がかかりますが、入庫登録の際にロケーションと商品のバーコードを読み込むだけで、商品の種類・場所・数量が瞬時に登録され、商品を探す時間が短縮できます

その他にも、正確な在庫数の把握やエラー表示による誤出荷の防止などによって、出荷の精度も向上します。

5S活動の徹底

5Sとは、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」を意味します。これらは生産現場を改善するための基本と言ってもいいでしょう。

  • 整理:不用品の処分
  • 整頓:使いやすい場所に必要なものを配置
  • 清掃:こまめな掃除・定期的な点検
  • 清潔:きれいな状態の維持
  • しつけ:4つの「S」の習慣づけ

5Sを意識することで、配置や工程もよく見えるようになり、業務の効率化、安全性の向上につながります。

作業の標準化・作業マニュアルの作成

作業マニュアルを作成することで、業務品質を標準化できます。スタッフごとに自己流で作業を進めていると、非効率な工程が発生していても把握が難しくなるでしょう。マニュアルを作成することで属人化を防いで非効率な作業をなくすとともに、新人教育の効率化にもつながります

マニュアルを作成する際は、現場作業の工程の洗い出しから行いましょう。現場担当者も交えて作成できると、より適切なマニュアルが作成できます。

ISO9001の取得

ISO9001とは、顧客満足度の向上を目的とした、品質マネジメントシステムについての規約です。製品やサービスを消費者に提供するまでのルールが示されています。

10項目にも及ぶ要求事項があり、審査に合格しなければISO9001の取得はできません。審査では主に、要求事項に適したルールがあるか、ルール通り運用が行えているかの2つを確認します。

建設業や製造業で取得している企業が圧倒的に多く、ISO9001を取得することで信頼を得ています。

物流倉庫業務の効率化を図るなら外部委託もおすすめ

自社だけでの物流業務改善に限界を感じた場合は、専門の事業者にアウトソーシングするのも一つの選択肢です。最適化された環境下で物流業務を効率的に進めてもらえるほか、品質の向上も期待できます。

また、コスト内訳の見える化によって細かい資金管理も可能となるでしょう。物流業務全体が効率化されることで、コア業務に注力できる点もメリットです。

浜松委托運送では、業務効率化に向けて独自のシステム(WMS)の開発、バーコード管理システムの導入、従業員教育、作業環境の整備(5Sの徹底)などを行なっています。

まとめ

物流倉庫の業務効率化を考えているのであれば、まずは現状把握からスタートしてみてください。解決するべき課題を見つけたら、その課題に対して適切な対策を講じます。

改善策のなかには、すぐに取り組めるものもあれば、業務全体を変えなければならないものもあるでしょう。それぞれの特徴を理解したうえで、利用の有無を判断する必要があります。

浜松委托運送では、物流倉庫内の業務効率化をお客様のご要望に合わせた形で柔軟に対応可能です。自社での改善が難しいと感じている方は、一度ご相談ください。

なお物流業務を効率化する方法については、こちらの記事でも解説しています。

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