物流コストとは?コストの構成や削減に向けて事業者ができることを解説

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物流業界では、輸送費だけでなく、さまざまなコストがかかります。実際にかかっているコストを把握していなければ、無駄な費用を払い続けることになるかもしれません。

この記事では、物流にかかるコストの構成と、事業者ができるコストの削減方法について解説します。物流コストの削減で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

■この記事でわかること

  • 物流コストの構成がわかる
  • 物流コストの物流機能別構成比の平均がわかる
  • 物流コスト削減のために事業者がするべきことがわかる

 

物流コストとは

物流コストとは、物流業務で発生するコストのことをいいます。輸送や運送のほかにも、管理や梱包などの物流にかかる費用の総称です

物流コストは主に、以下のように分類されています。かかっている費用を現状把握するためには、各項目のコストを算出しなければなりません

  • 支払形態
  • 物流機能
  • 物流プロセス

例えば、支払形態では外注費の確認をしたり、物流機能別コストを使って自家物流費を確認したりといった方法があります。

物流コストの構成

物流コストの構成は、内訳確認方法別に2つに分類できます。それぞれのコストがどのように分かれているのか、確認してみましょう。

支払形態別

項目 詳細(具体内容)
支払物流費 船舶やトラックを利用した場合に支払う費用
営業倉庫の利用料金
外注先への支払いコスト など
社内物流費 倉庫の購入費(※)
維持費、減価償却費
物流管理システム費
システム管理者に支払う人件費 など

※自社で倉庫を保有している場合

社外向けの費用は「支払物流費」、社内向けの費用は「社内物流費」に分けられます

支払物流費は、船やトラック、倉庫の利用など、比較的コストを把握しやすい項目です。一方で社内物流費では、倉庫の購入費や維持費などに加えて、物流管理システムやシステム管理者に払う費用などもかかります。物流コストを管理するのであれば社内物流費の細かいコストの把握が重要です

日本ロジスティクスシステム協会の調査によると、支払物流費(自家物流以外)が約85%、自家物流費が約15%となっています。事業者によって対応は異なりますが、委託している場合は、支払物流費を見直すことが物流コストを抑えることにつながると考えられます。

支払形態 構成比
支払物流費(自家物流以外) 85.5%
社内物流費(自家物流費) 14.5%

物流機能別

項目 詳細(具体内容)
輸送費 商品を販売、輸送する際に必要になる費用
荷役費 荷役作業時にかかる費用
保管費 倉庫で保管する際にかかる費用
管理費 人件費、バックヤード費用

 

機能別に分類した場合の物流コストは、上記4つに分類されます。

またこちらのグラフは、物流コストの物流機能別構成比を業種別に示したものです。全業種においても、輸送費が約55%と大きな割合を占めていることがわかります。輸送費が59%の業種もあれば38%の業種もあり、輸送費だけでも業種ごとに幅があります。

次にかかる費用は保管費が17%、包装・荷役・物流管理といったその他の費用が28%といった結果です。保管費用では自社保有と外部委託倉庫でコストに差が生じます

業種ごとの機能構成比の平均と自社の費用を比べて、見直すべき項目を見つけましょう。

物流コストを削減するために事業者ができること

事業者は、さまざまな方法で物流コストを削減できる可能性があります。以下では、具体的なコスト削減方法を5つ紹介します。

物流コストの見直しを考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。

物流をアウトソーシングする・委託先を見直す

物流コスト削減には、物流アウトソーシングを視野に入れてみましょう。アウトソーシング分の費用がかかると考えるかもしれませんが、業務の負担を減らして人件費を抑えることで、最終的にはコスト削減につながります

また、既にアウトソーシングを行っている場合は、今の委託先で良いのか見直す方法もあります。複数の業者に頼んでいる場合は、3PLのような一貫で対応可能な業者を調べてみましょう。現在の委託先に求めている内容で相談できる内容があるか確認してみるのも良いかもしれません。

物流アウトソーシングの利用や、委託先の見直しでコストを抑えましょう。

 

物流拠点の集約​・分散

倉庫内に余裕がある場合は、拠点を集約するとそれぞれの拠点にかかる管理費や保管費などのコストを削減できます

一方で、全国への小口出荷が多い場合は、できる限り拠点を分散しましょう。拠点を集約すると走行距離が長くなり、ガソリン代や高速料金などの費用が増え、配送効率も悪くなってしまいます。

物流拠点は、集約しても分散してもどちらもメリットデメリットがあります。企業の特徴や今後の方針を考慮して判断し、物流コストの削減につなげましょう。

倉庫管理システムによる在庫管理

倉庫管理システムで在庫管理をすれば、無駄なコストを抑えられます。

倉庫管理システムWMSには、「入庫管理」「在庫管理」「出荷管理」の3つの機能が搭載されています。在庫をリアルタイムで確認でき、過去のデータからの需要予測も可能になります。

倉庫内の在庫は、多すぎると保管費用が増え、少なすぎると別拠点から発送する際の費用がかかります。倉庫システムを使った適切な倉庫管理により、業務の効率化に加えてコストの削減も見込めるでしょう。

 

倉庫内ルールの策定・見直し

社内物流費を抑えるためには、倉庫内ルールの策定や見直しが必要です。倉庫内ルールを定めていなければ、商品がうまく管理できず、物流業務全体に支障が出てしまいます。

倉庫内ルールは、5S活動に基づいて策定すると良いでしょう。5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という製造業やサービス業などにおける考え方のことです。5S活動を取り入れると、業務効率化によるコスト削減はもちろん、商品やサービスの品質向上、チームワーク向上などのメリットもあります。

浜松委托運送では作業フロー図を作成し、作業の流れを明確にしているため管理体制の強化が可能です。

人件費や管理費を見直す

人件費や管理費を見直しは、全体的なコスト削減につながります。

物流業界では人手不足が一つの課題であり、すでに必要な作業に対して人員を配置することが困難になっている場合もあるでしょう。人員不足を解消するにはシステムを活用する方法があります。システムによって業務を自動化できるようになると管理体制も整います。

また、必要な業務に人員を確保できるよう人件費を見直し、最適化することも必要です。労働条件に対して低賃金であることが人手不足の原因の一つだと考えられているためです。このほか、作業環境の整備や作業フローの簡略化などを行うと品質の高い仕事や作業の効率化を図れるでしょう。

物流コストまとめ

物流にかかるコストは、輸送費だけでなく、保管や梱包、人件費や管理費などの細かいものまであります。それぞれにかかるコストを把握すると改善すべき課題が見えてくるでしょう。

コストの目安がわからない場合は、同じ業種の物流機能別構成比を参考に、見直すべき項目を明確にしてください。

浜松委托運送では、物流倉庫のアウトソーシングを行っています。日本中心の立地を活かし、コストパフォーマンスの高いサービスの提供が可能です。物流コストの削減にアウトソーシングを視野に入れているのであれば、ぜひ浜松委托運送にご相談ください。

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