保税倉庫とは?搬入から出荷までの流れやメリット・デメリットを紹介

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保税倉庫とは何でしょうか?今回は、保税倉庫を説明するのにあたって、保税倉庫にもっとも向いている商品であるワインを例にしてご説明致します。


流れとして、保税倉庫の定義、必要性、搬入から出荷までの流れ、メリット・デメリットには何があるか、選定のポイントとして長期保管ができるか、立地条件としてどのようなものがあるかなどを解説致します。

保税倉庫とは

ここでは、保税倉庫の定義とその必要性、さらに保税倉庫を利用する流れについてご説明致します。


保税倉庫の定義

保税倉庫とは、輸入貨物の関税や輸入消費税などが一時的に保留され、保管中は税を支払わなくて良い倉庫のことです。制度として、指定保税地域、総合保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場の5種類が認められています。


制度の目的は、輸入貨物を法の規制下において、秩序ある貿易の維持や、貿易の振興及び文化の交流等に役立てることです。 このため、保税倉庫にある外国貨物は、税関の監督下におかれ安全です。また、倉庫内では貨物の積卸し、運搬、蔵置、加工・製造、展示等の行為が可能となっています。


保税倉庫の必要性

ワインにとって、保税倉庫の必要性は非常に高いものがあります。輸入港にコンテナ単位で輸入されたワインは、コンテナのまま保税倉庫に搬入されると、通関、食品届け、表示届けの後、外観検品、光当て検品、ラベル貼り作業が必要だからです。


保税倉庫を使えば、この一連の作業が可能になるだけでなく、関税や消費税を払うことなく、これらの作業を行うことができます。税の支払いは国内出荷のときで良いので資金や金利の節約になります。さらに低温(定温)倉庫を利用することによって、ワインの熟成のために長期での保存が可能です。

保税倉庫を利用する流れ

保税倉庫を利用する流れとしては、次の5段階があります。

  • 搬入
  • 検品
  • 輸入申告
  • 輸入許可
  • 出庫

初めに、外国から到着した貨物を保税倉庫に搬入します。海上コンテナを1本まるごと輸入するFCLの場合は、コンテナをドレー車で保税輸送して搬入し、コンテナ内に混載貨物が積まれたLCLの場合は、荷主ごとに輸入申請して、コンテナヤードにてデバンニング(荷卸し)作業を行い、搬入確認を取ります。

次に検品です。保税倉庫内で貨物の内容を確認して、法令違反等がないかどうかチェックします。関係法令が多岐にわたっているので、複数の省庁で確認する必要があり、検査に時間がかかるケースもあります。

その後輸入申告を行います。外国から貨物を輸入する際に税関長の許可を得るプロセスのことです。

輸入申告を終えたら、輸入許可を取得します。輸入許可がおりると外国貨物から内国貨物へ扱いが変化し、国内への流通が可能になり、出庫ができます。保税倉庫内で加工・製造も可能なので、出庫にスピーディーな販売が可能です。

保税倉庫で輸入貨物を扱うメリット・デメリット

浜松委托運送の倉庫内
こちらでは、保税倉庫で輸入貨物を扱うメリット・デメリットを解説します。

メリット

ここからは、保税倉庫で輸入貨物を扱うメリットについて解説します。安全に貨物の保管ができること、経費を抑えられること、輸送コストと流通時間の削減が可能なことを見ます。

安全に輸入貨物の保管ができる

保税倉庫を利用するメリットの第1は安全に輸入貨物の保管ができることです。保税倉庫は、外国貨物の保管場所として、日本の税関長が許可した倉庫です。そのため貨物は、税関の監督下におかれますので、安全に保管できるメリットがあります。
保管中の貨物が汚れたり、破損したりする心配がありませんので、その後のビジネスを円滑に進めることができます。

経費を抑えられる

保税倉庫は原則2年間まで保管が可能です。その間、関税や消費税などは発生しませんので、その間の金利がかかりません。
また、輸入貨物が引き取り困難と判断された場合には、外国貨物のまま、輸出者に返送が可能です。さらに、保税状態のままで他国に転売も可能です。
あるいは、倉庫内で未課税の状態であれば、たとえ輸入したワインに不備があっても、課税前の状態で廃棄できるなど、経費を抑えられるメリットがあります。

輸送コストと流通時間の削減が可能

保税倉庫で保管する貨物は、あらかじめ税関長に届け出を提出していれば、加工・製造が可能ですので、作業が効率化され、物流コストの削減になります。

浜松委托運送の場合、地方都市に立地しているため、首都圏の保税倉庫と比較して、倉庫料金が安いというメリットがあります。また、立地条件を生かして、関東・関西・中部圏を中心とした全国配送があるお客様に対して、安定した納期と低価格で対応が可能です。

スムーズな通関手続きができる

保税倉庫では、関税や消費税を保留したまま、ワインのラベル加工・仕分け・値札付けなどの作業が可能なため、スムーズな通関手続きを進めることができます。また、外国貨物のまま展示会や博覧会などで展示が可能です。
貨物に荷傷みなどがあった場合、税関長の承認を受けて、関税などを支払わずに処分できます。また、必要な量やビジネスチャンスに応じて、引き取りが可能ですので、スムーズなビジネスが可能です。

デメリット

ここからは保税倉庫のデメリットを紹介します。デメリットを知って保税倉庫をご利用の際に対応できるよう、あらかじめご準備をお願いします。

緊急時の対応が困難

保税倉庫から出荷する場合、関税が支払われるまで、製品を倉庫から出荷することはできません。もし、誤って関税支払い前の外国貨物を搬出した場合には、密輸入とみなされ処罰されてしまう可能性があります。

そのような誤出荷が起こらないよう、保税倉庫内の貨物には適切な対応が必要です。例えば、貨物に適切な表示をしておくのも一案です。緊急時の対応が困難な場合もありますから、事前の準備を検討する必要があります。

在庫破棄の可能性

保税倉庫は、税関長の承認を受けることによって2年間まで蔵置が可能です。さらに、承認を受けることによって2年を超える延長も可能です。
一方で、商品によっては有効期限があり、有効期限を過ぎると商品を廃棄の可能性が発生する場合があります。あるいは売上予測を誤って、在庫過多になった場合に商品を廃棄することがあり、そのような場合、結果として利益が失われることがありますので、注意が必要です。

製品取り消しのリスク

輸入者にとって外国貨物の保管期間に期限はありません。しかし、もし倉庫との間で合意されている期間内に支払を実行できず、期間内に商品を撤回できない場合には、税関当局は、製品のオークションに頼ることがあります。このように製品取り消しのリスクが存在しますのでご注意ください。

保税倉庫を選定するポイント

こちらでは、保税倉庫を選定するポイントについて解説します。長期保管が可能か、そして立地場所としてはどこが良いかを考えます。

長期保管が可能か

保税地域の種類には、指定保税地域、総合保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場の5種類があります。

期間に関しては搬入後、それぞれ、1ヶ月・2年・2年・税関長が指定する期間・2年と定められていますから、選定する倉庫がどのような倉庫か確認する必要があります。浜松委托運送の保税倉庫は、「保税蔵置場」ですので、2年間の保管が可能です。

立地場所

保税倉庫を選定する場合、港や空港から近くて、鉄道・公共交通機関からのアクセスがよいことが望ましいポイントです。

また、配送先に近く、積雪がなく気候が良く気候によるアクシデントがないこと、商品を加工する場合にすぐに人手が集められる地域であること、などがあげられます。


浜松委托運送は、日本の中心である静岡県に位置していますので、気候も良く、関東圏・関西圏・中部圏を中心として全国配送が必要なお客様に最適の立地条件にあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ワインの例を中心にして、保税倉庫が関税や消費税が保留され、保管中は税を支払わなくてよい倉庫であることを見てきました。保税倉庫を利用する流れとしては、搬入、検品、輸入申告、輸入許可、出庫がることをご説明し、メリット・デメリットも見ました。


浜松委托運送は、日本の中心に立地するという好条件に恵まれています。自社物件10,000坪の物流倉庫を運営し、トラック配送も自社で保有しています。低温倉庫内に保税蔵置場があり、ワンストップ物流によって、納期短縮とコスト削減に貢献します。
この機会にぜひ浜松委托運送の保税蔵置場をご検討ください。

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