2017年7月 モーダルシフトについて(鉄道コンテナ輸送につて)

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通販市場においては現在ヤマト運輸をはじめとした宅配便市場が急拡大し人手不足が社会問題となっております。この流れは特別通販宅配便のみならず、物流において人手不足は深刻な問題であるのは間違いありません。そこで本日は、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便等の宅配便のみならず、企業向け物流を含めたトラック業界全体として大きく形を変える動きのひとつであるモーダルシフトを紹介します。

国内貨物の輸送手段別では、トラック含めた自動車が91.2%で圧倒的に大きな比率をしめております。その他は7.7%が内航海運、鉄道が1%弱、航空が0.1%にも満たないレベルです。

そこで、現在トラックの運転不足など社会問題化している物流業界の人手不足を解消する手段として注目されているのがトラックから鉄道や船舶に変えるモーダルシフトです。もともとこのモーダルシフトは何年も前から国土交通省が環境負荷低減の目的で推進してきた手段です。1トンの荷物を1キロメートル運ぶ際に排出される二酸化炭素量は鉄道がトラックの約9分の1、船舶がトラックの約5分の1とされます。もともとは環境負荷低減でしたが、昨今は単位輸送量あたりの人員がトラックよりも少なくて済むことに注目が集まっています。499トンの内航船舶1隻で、おおむねトラック160台分の荷物を運べると日本内航海運組合総連合会は試算しております。 

このようなメリットの面があるにもかかわらずこれまで普及がトラックと比較すると10%にも満たない理由としては鉄道や船舶は荷物の積み下ろしができる場所が貨物駅や港湾に限られる点、内航海運は航路が限られている点、鉄道も決められた運行ダイヤに従って貨物列車を走らせるため荷物の増減に柔軟に対応するのが難しい点が上げられます。しかし、こういったデメリットを解決する労力を割いても、モーダルシフトの流れができているのはそれほど現在トラックに関する人手不足は深刻ということです。 

浜松委托運送は鉄道コンテナ輸送免許を取得しておりますので全国の鉄道コンテナ輸送が可能です。飲料メーカー、食品メーカーはじめモーダルシフトの流れが年々加速しているのは肌で感じます。一方でこれまでそれほど人手不足が深刻化してなかった為、注目もなかったので特に選択もせずトラック輸送を選択していたお客様もいるため、ここへ来て見直しの動きがでてきているのは間違いありません。特に長距離輸送においてはコスト含めて非常にメリットのある提案が可能です。

弊社でモーダルシフトした例ですと、やはり一番多いのは長距離輸送です。これは圧倒的にトラックの台数が減っている点、トラックですと往復運用が必須になる点から今後も増えていく需要ではないかと思います。

次に多いのはスポットの案件です。鉄道コンテナですと5t単位ですので、トラックの大型10tトラックの約半分程度のロットより利用が可能になります。この為、小ロットの輸送においては利便性がございます。例をあげますと、季節の野菜、お米などの農産物がこれに該当します。また、年末は弊社も受け切れない量のお問い合わせを頂くのですが、路線貨物含めて対応を行ないます。特に最近ですと大型荷物、重量物の需要が増えているのは間違いありません。

一方でなかなか対応が難しい点は10tトラックと比較すると即配達のような厳しい納期指定に対応ができない点です。10tトラックの場合は拠点間配送の為、配送納期の述べ時間は拠点間配送時間のみとなります。一方で鉄道コンテナは荷物を発送するお客様拠点から最寄発駅へのJRコンテナ車でのトラック輸送、発駅から着駅の鉄道輸送、着駅から到着のお客様へのJRコンテナ車でのトラック輸送の流れになっている為、どうしても10tトラックの拠点間配送と比較すると厳しい納期指定を求められる商品には対応不可となっております。

一方で上記のような10tトラックと比較したメリット、デメリットを理解して利用できれば非常に有効な手段となります。宅配便市場のヤマト運輸、佐川急便のみならず企業間物流の西濃運輸や福山通運含め全て鉄道コンテナ輸送を利用しております。

鉄道輸送のお試しキャンペーンも活動しておりますので、鉄道輸送にご興味がある方は是非お問い合わせいただければと思います。 

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